スマートファクトリーで驚異的な生産性UPを叩き出す

IoTって難しい?
 講演していて感じることは「IoT」を伝える難しさである。技術テクノロジーよりもIoTによって起きてくる新しい世界の姿はさらに伝えるのが難しい。そこで今回は誤解を恐れずに出来るだけ噛み砕いてみた。IoTはどこからきたの?
 IoTはスマホの普及から始まった。Appleが12年前(2007年)にiPhoneを発売したのがスタートで瞬く間に世界中に普及した。新しい機種が次々と発表されどんどん切り替わってきた。その裏ではセンサーデバイスが劇的に安くなり、通信ネットワークインフラが世界中に張り巡らされた。この2つがIoT時代の幕開けを後押しし、誰でもお手軽にビジネスに使えるようにもなった。IoTでどこへ行くの?
 スマホの発想とインフラ、センサーデバイスの低価格化はクルマの自動運転に飛び火していこうとしている。それがMaaS(Mobility as a Service)である。この世界が出来てくるとさらにビル管理や工場の世界にも入ってくるであろう。企業としては普及してからでは遅いので今のうち準備しておきましょうということである。

主役はクルマの自動運転
 2019年3月29日の日経新聞の記事によると
「トヨタとソフトバンクの共同出資会社モネ・テクノロジーズは28日、次世代の移動サービスを開発するためのコンソーシアムを立ち上げたと発表した。国内約90社が手を組み、新しい移動サービスを提供するMaaS(マース)の開発に乗り出す。」とあった。
 いよいよ日本もこの世界に真剣に挑戦していこうとする気概を感じる。こうなるとスマホ以上の波及効果が期待できる。自動運転のクルマに搭載されるカメラやセンサー等のハード価格はもちろんのことAIを含めたソフトウェアの価格も下がるであろうと期待している。クルマの自動運転化によるメリット
 国土交通省の資料によると、クルマの自動運転化には6つの大きな効果(メリット)があると示されている。下図参照。

出典 オートパイロットシステムに関する検討会

仮説を立てる 工場に置き換える
 この図を見ながら工場だったらどうなるか仮説を作ってみた。ピッタリ当てはまるではないか。ちょっとした発見をした気分になった。

仮説を実証する
 この仮説を実証するにはどうしたらいいか。なんてことはない私自身ですでに経験したことではないかとまたまた驚いた。私自身かつて金型メーカーの二代目社長として、工場のIT化により会社を再建した経験がある。その時のIT化の効果は次の図の通りである。

更に効果を数字に直したのが下記の図である。

疑われた数値 経常利益率24%
 講演で、さる金型メーカーの社長から「経常利益率24%とは信じられない。ありえない数値だ。」という鋭い質問を受けた。「私も信じられない、Ohアンビリーバブルだったんです。」と答えた。経常利益率をKPIにしてなかったため、後で分かったことだったからである。そこで心配になって翌日過去の決算書を見直してみた。本当に経常利益率24%であってほっとした。
 ついでに何期分か並べて調べてみた。5%→9%、10%、12%と続き24%となっていた。通常金型製作は手間がかかる為、受注がたくさんあってもすぐには売上には繋がらず、工場内には仕掛品のワークが所狭しとあふれてしまう。
 KPIをリードタイム1/2にしたことが功を奏したといえる。それまでの改善で、単純にモノがスムーズに流れる体制ができていたのがミソである。その結果が経常利益率24%という数字を叩きだした過ぎない。Oh!アンビリーバブル!!こそがスマートファクトリー
 考えもしてこなかったコトが起きるからこそ面白い。私は会社の生き残りを賭けて一心不乱で頑張っただけ。ここまで成功するとは思ってもいなかった。ただ固定概念を捨て素直にモノを見て挑戦してきたことだけが取り柄である。その経験智・知が世の中のためになるならばどんどん智・知であるノウハウ、メソッドを伝えていきたいと考えている。

中島高英