コロナウイルスと8割の行動抑制

 いよいよ緊急事態宣言が全国を対象とすることになった。期間は4月17日から5月6日。ゴールデンウイークの移動を止め、行動抑制7割、出来れば8割の目標値が示された。
 20日間、7割、8割という数値の根拠がよく分からないものの行動抑制、接触度数の極小化は世界中でやっている唯一の方法である。
 私が一番わからないのは8割の行動抑制の元の数値、計算式でいえば分母である。何の数値をもって計るのか。人と会った回数、人数、時間、どこの数値なのかわからない。わからないからやらないという訳にもいかず自分なりに考えてみた。

割合を見るには基準値が大事
 まずは基準データをどこに置くか考えた。人数は難しいので一日の内で外出している時間を基準にすることにした。それからベースとなる基準値を1-3月の週に分けて、その中で外出時間の一番多い時間数を日に割り直して分母を決めてみた。
 分母は9時に家を出て会社に行き、夜飲んで12時に帰るという行動パターンで15時間になった。

数値の見える化が行動を抑制する
 まずは直観で何%か書き出し、その後、手控え帳から詳細に行動した時間を拾い出した。それがこのグラフである。東京に緊急事態宣言が出されてから手控え帳には誰と、どこで、何時から何時まで会ったか細かく書き残すようにしていたので簡単に拾い出せた。
接触度比率グラフ
 結果は週平均で19%、8割の行動抑制に成功した。
 何故、直観と記録と比較したかというと、どこまで思い込みがあるか知りたかったからである。前半はそれまでの約束があってどうしても出ざるをえない仕事があった。後半からはアポの依頼があっても「不要、不急」を必ず尋ねて「不急ですね」と相手から言ってもらい接触機会を減らす努力をした。それでもゼロにならなかったのは生活ための買い出しで外出したためである。0%の日は一歩も外に出なかった日である。

行動抑制の具体的な目安
 わずかな経験の範囲であるが、ここから見えてきた行動抑制の具体的な目安は次のようになる。
 1.抑制率10割 外出禁止。
 2.抑制率 9割  1日50分以内の外出(徒歩、自家用車)近所での買い物
 3.抑制率 8割  1日100分以内の外出(徒歩、自家用車)
          近所での買い物とプラスアルファ(短時間のお仕事)
 仕事については、通勤時間と方法も含めて計算する必要がある。毎朝300万の人が東京に向かって満員電車に乗って会社に集まる今の仕組みでは、8割削減の実現は不可能である。それ故に在宅ワークが求められている

総体として行動抑制
 我が社だけではないが在宅では仕事が物理的、経済的、社会的に出来ない人もいることを前提にして、日本社会全体として8割削減するにはどう解決したらよいかが課題となる。
 8割という数字を「個人の目標値」でなく「総体の平均値」と再定義する。具体的には、それぞれの会社で出勤せざるを得ない場合は最小時間を目指し40%目標とする。在宅ワーク可能な人の目標値を0%すると平均で20%となる。

「行動抑制」が社会連帯としての「行動の証」
 行動抑制をして人と会えないと孤独になり自分が無価値だと感ずるよう人は、自宅に籠り外出しないことが外出せざるを得ない人へのギフトになるとして考える。行動抑制こそがコロナウイルスの感染防止に役立つ積極的な「行動の証」であり、新しい「社会連帯」の方法である。そこには価値がある。ちょっとした発想の転換で気分が楽になる。

中島 高英