省エネ相談地域プラットフォーム実践研修の講師をいたしました

弊社中島が10月29日(火)に行われた省エネ相談地域プラットフォーム実践研修(エネマネIoT工場コース)の講師をいたしました。

省エネ相談地域プラットフォーム実践研修とは省エネルギー地域相談プラットフォーム構築事業の一環として行われている研修です。
省エネルギー地域相談プラットフォーム構築事業についてはこちら (環境共創イニシアチブ様のHP)

Edgecross活用セミナー(2019年秋)にて基調講演いたしました

9月19日(木)に大阪で開催されたEdgecrossコンソーシアム主催のEdgecross活用セミナーにて弊社中島が「現場からの緊急報告 今求められているIoTとは ~事例から学ぶデータの利用法~」について基調講演いたしました。
参加された方からも多くのご意見を賜りました。ご聴講いただき、ありがとうございました。

Edgecross活用セミナー講演 「現場からの緊急報告 今求められているIoTとは ~事例から学ぶデータの利用法~ 」
講演資料のダウンロードはこちら から

IoTを工場にどう活用するか

 多くの会社や人々がIoTを工場にどう活用するかについて悪戦苦闘している。私もその一人である。どうして工場へのIoT活用が大きな流れにならないのだろうか。
 昨年のJIMTOF(工作機械見本市)では“つながる工場”ということでFANUCやEdgecross、その他出展している機械と通信しているデモがたくさん出展されていた。最新の機械にはMT ConnectやOPC UAなどの欧米の通信規格機能を搭載してきている。
 現場が期待するIoTからは離れているように思えるのは私だけであろうか。私が知る限りの現場の声として、IoTに期待している課題は次の3つである。1.機械の稼動中に切子が出ている時間とそうでない時間を知りたい。
 生産管理側としては、機械の稼動時間がほしい。稼動時間はイコール資源(リソース)の占有時間である。適切に設備機械の割り付けをして工場全体のスケジュールを管理していくために必要な情報である。
 現場の担当者側からすると、さらに細かく実際に切子を出している時間、即ち加工時間そのものを知りたい。現場としては、与えられた機械設備を24時間という制約の中でもっと有効に使いたいと考えているからである。
 残念ながらパトランプの信号ではそれが分からない。パトランプの信号はNCから出力される制御中の合図電灯であり、機械の稼動時間としては有効であっても加工そのものの時間ではない。こんな簡単な信号ですら取れずに現場の声に応えられていない。

2.機械の非稼動中に人が機械に段取りしている時間だけを知りたい。
 これは相当やっかいな問題である。何故ならば機械からどれだけデータを集めても出てこないからである。今どう解決しているかと言うと、作業者に日報に書いてもらうか作業開始終了のボタンを設置して、作業者にボタンを押してもらっている。この入力された時間がラフであることは周知の事実である。作業者は加工に専念してもらい、IoTを使って作業者の手を煩わせずに段取り時間が取れるとありがたいと現場では思っている。

3. ものを探す時間を減らしたい。
 現場が言う「もの」とは①ワーク(材料)、②工具、③治具、④金型、⑤製品を指す。それぞれの現場や担当者によって探すものに違いがあるものの、この探す時間が結構な手間になっている。
 工作機械を使って加工している現場では工具や治具は担当者任せになっているケースが多い。対策と言えば5Sで整理整頓と張り紙をして注意を喚起する程度である。探すためにどれだけ時間がかかっているかは誰も知らない。データも残されていない。測れないものは改善できないというテーゼからすると、今のままではいつまでたっても改善できないだろう。しかし、今のIoT技術をもってすれば、ものを探す時間を短縮することは解決可能であろう。結論とすれば、難しいAIやIoTでなく現場ですぐに役立つものこそが求められている。次回はこの3つの課題に取り組んだ事例をご紹介しよう。

中島高英

スマートファクトリーで驚異的な生産性UPを叩き出す

IoTって難しい?
 講演していて感じることは「IoT」を伝える難しさである。技術テクノロジーよりもIoTによって起きてくる新しい世界の姿はさらに伝えるのが難しい。そこで今回は誤解を恐れずに出来るだけ噛み砕いてみた。IoTはどこからきたの?
 IoTはスマホの普及から始まった。Appleが12年前(2007年)にiPhoneを発売したのがスタートで瞬く間に世界中に普及した。新しい機種が次々と発表されどんどん切り替わってきた。その裏ではセンサーデバイスが劇的に安くなり、通信ネットワークインフラが世界中に張り巡らされた。この2つがIoT時代の幕開けを後押しし、誰でもお手軽にビジネスに使えるようにもなった。IoTでどこへ行くの?
 スマホの発想とインフラ、センサーデバイスの低価格化はクルマの自動運転に飛び火していこうとしている。それがMaaS(Mobility as a Service)である。この世界が出来てくるとさらにビル管理や工場の世界にも入ってくるであろう。企業としては普及してからでは遅いので今のうち準備しておきましょうということである。

主役はクルマの自動運転
 2019年3月29日の日経新聞の記事によると
「トヨタとソフトバンクの共同出資会社モネ・テクノロジーズは28日、次世代の移動サービスを開発するためのコンソーシアムを立ち上げたと発表した。国内約90社が手を組み、新しい移動サービスを提供するMaaS(マース)の開発に乗り出す。」とあった。
 いよいよ日本もこの世界に真剣に挑戦していこうとする気概を感じる。こうなるとスマホ以上の波及効果が期待できる。自動運転のクルマに搭載されるカメラやセンサー等のハード価格はもちろんのことAIを含めたソフトウェアの価格も下がるであろうと期待している。クルマの自動運転化によるメリット
 国土交通省の資料によると、クルマの自動運転化には6つの大きな効果(メリット)があると示されている。下図参照。

出典 オートパイロットシステムに関する検討会

仮説を立てる 工場に置き換える
 この図を見ながら工場だったらどうなるか仮説を作ってみた。ピッタリ当てはまるではないか。ちょっとした発見をした気分になった。

仮説を実証する
 この仮説を実証するにはどうしたらいいか。なんてことはない私自身ですでに経験したことではないかとまたまた驚いた。私自身かつて金型メーカーの二代目社長として、工場のIT化により会社を再建した経験がある。その時のIT化の効果は次の図の通りである。

更に効果を数字に直したのが下記の図である。

疑われた数値 経常利益率24%
 講演で、さる金型メーカーの社長から「経常利益率24%とは信じられない。ありえない数値だ。」という鋭い質問を受けた。「私も信じられない、Ohアンビリーバブルだったんです。」と答えた。経常利益率をKPIにしてなかったため、後で分かったことだったからである。そこで心配になって翌日過去の決算書を見直してみた。本当に経常利益率24%であってほっとした。
 ついでに何期分か並べて調べてみた。5%→9%、10%、12%と続き24%となっていた。通常金型製作は手間がかかる為、受注がたくさんあってもすぐには売上には繋がらず、工場内には仕掛品のワークが所狭しとあふれてしまう。
 KPIをリードタイム1/2にしたことが功を奏したといえる。それまでの改善で、単純にモノがスムーズに流れる体制ができていたのがミソである。その結果が経常利益率24%という数字を叩きだした過ぎない。Oh!アンビリーバブル!!こそがスマートファクトリー
 考えもしてこなかったコトが起きるからこそ面白い。私は会社の生き残りを賭けて一心不乱で頑張っただけ。ここまで成功するとは思ってもいなかった。ただ固定概念を捨て素直にモノを見て挑戦してきたことだけが取り柄である。その経験智・知が世の中のためになるならばどんどん智・知であるノウハウ、メソッドを伝えていきたいと考えている。

中島高英